皮脳同根というおはなし。

人間が生まれてくるときに、もともとは一つの受精卵から分裂を何度も行って、人間として形成されていきます。
そのとき、受精卵が分裂を始めた初期の段階で、「内胚葉」「中胚葉」「外胚葉」という三つの層に分化することになります。

内胚葉: 主に内臓(消化管や消化噐、呼吸器)など。
中胚葉: 主に骨、筋肉、循環器、腎臓、血管など。

外胚葉: 主に皮膚や脳、抹消神経、感覚器。

要するに、皮膚と神経というのは、もともと外胚葉という同じ根源を持っているということです。
ここが分裂をして形成された組織であるために、人間になるときの最も最初の時点では、皮膚と脳は同じ根源を持っているということになります。

例えばストレスを受けたときに、脳が刺激を受けるとそれは肌に対しても影響をして、肌荒れなどが起こってしまう、という話になるので、最近は、美容やエステ、アロマの世界でよく使われることばとなっているのです。

しかし私たちは、普段の生活の中、例えば子育てにおいても、この「皮脳同根」ということば通りの行動を行なっているのです。

例えば、こどもをおちつかせるときに背中をさすったり、眠らせるときに胸やお腹をトントンとゆっくり叩いたり。

「皮膚の刺激は、神経を通じて、脳に至る」と考えれば、療育的な観点からも、私たちは、この皮膚からの刺激は、重要になってくると考えています。

特に、ことばで自分の気持ちを表出することが苦手なこどもたちにおいて、大人、特にスタッフとの関係性を構築するにあたり、声かけだけではなかなか信頼関係が結べません。

そんな中アクアの代表は、他のスタッフをよそに、動き回るこどもを落ち着かせて、スムーズに食事をさせたり、「呼んでも、聞かない」と言われるこどもを、いとも簡単に普通に膝の上に座らせたりすることができるので、他のスタッフは悔しくてしょうがないわけです(笑)

その理由を尋ねると、この「皮脳同根」ということばがでてきたわけです。

いきなり、これだけの関係性が構築されるわけではない、ただ、普段から胸のあたりを心拍数と同じスピードでトントンとしながら話しかけたり、パニックでおちつなかいこどもにも、背中をさすりながら声をかけたりすることを続けていたとのこと。

もちろん、否定的なことばからはいるのではなく、大人がこどものところに行き(←ここが重要)、「どうしたの?」と聞きながら、体をさすったり、トントンと刺激しながら、話をしたり。

たとえそのこどもがことばでしゃべることができなくても、いつもそうやってコミュニケーションを行なっているとのことでした。


私は、他の療育センターでも、同じようなお話をきいたことがあります。「療育、感覚統合で重要なのは、親やスタッフの抱擁やさすりといった、皮膚からの刺激です」とのことばが、皮脳同根ときいたときに、ピンときたわけです。

もちろん、いつもダラダラとくっつくことが良いのではなく、メリハリは必要です。

最近、「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが、自閉症の薬として利用される実験が行われているとのこと。

このオキシトシンは、抱擁ホルモンともいわれ、ここにも皮脳同根につながるキーワードが出てきました。


私たちは、どうしても支援技術(ABA?やTEECH?構造化?など)に、意識が偏りがちですが、そういった療育的なアプローチが可能になるのも、やはりこどもとスタッフの関係性が構築されてからのお話だと思うのです。

アクアの代表はいつも私にこう言います。
「どんなに若くて、新しいスタッフが入ってこようとも、こどもたちのNO1でいつづけるのが私の目標!」(笑)

私たちも、こどもたちの目線にあわせて、いつも支援できるようにしていきたいものです。











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